ウ 原告Cに生じた損害
(ア)慰謝料 616万0000円
原告Cは,上記(2)及び(3)の原告らの主張のとおり,被告の不法行為によって化学物質過敏症に罹患したのであり,その症状は重く,学校にも通えないなど日常生活に与える影響も多大であって,その精神的,肉体的苦痛は甚大である。そして,化学物質過敏症は,現代の医学において治癒困難な病気であり,将来にわたり影響を及ぼすものであるから,後遺障害が認められるべきであるところ,原告Cの症状は,後遺障害等級9級10号の「神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」,すなわち「一般的労働能力は残存しているが,神経系統の機能又は精神障害のため,社会通念上,その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」に該当するから,これを慰謝するためには616万円が必要である。
(イ)後遺症逸失利益 1367万2238円
平成16年賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計・女性労働者の全年齢平均の賃金額年350万2200円,労働能力喪失率35%を基礎として,18歳から就労可能年齢である67歳までの中間利息を控除した逸失利益を算出すると,1367万2238円となる。
(計算式)
350万2200円×0.35×(18.8757-7.7217)=1367万2238円
(ウ)弁護士費用 190万0000円
原告Cは,被告が任意に賠償金を支払わないため,原告ら訴訟代理人弁護士に本件訴訟追行を委任せざるを得なかったのであり,弁護士費用として190万円を損害とみるのが相当である。
(エ)合計 2173万2238円
エ 原告Dに生じた損害
(ア)慰謝料 616万0000円
原告Dは,上記(2)及び(3)の原告らの主張のとおり,被告の不法行為によって化学物質過敏症に罹患したのであり,現在の症状は重く,幼稚園にも通えないなど日常生活に与える影響も多大であって,その精神的,肉体的苦痛は甚大である。そして,化学物質過敏症は,現代の医学において治癒困難な病気であり,将来にわたり影響を及ぼすものであるから,後遺障害が認められるべきであるところ,原告Dの症状は,後遺障害等級9級10号の「神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」,すなわち「一般的労働能力は残存しているが,神経系統の機能又は精神障害のため,社会通念上,その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」に該当するから,これを慰謝するためには616万円が必要である。
(イ)後遺症逸失利益 1743万0112円
平成16年賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計・男子労働者の全年齢平均の賃金額年542万7000円,労働能力喪失率35%を基礎として,18歳から就労可能年齢である67歳までの中間利息を控除した逸失利益を算出すると,1743万0112円となる。
(計算式)
542万7000円×0.35×(19.0750-9.8986)=1743万0112円
(ウ)弁護士費用 230万0000円
原告Dは,被告が任意に賠償金を支払わないため,原告ら訴訟代理人弁護士に本件訴訟追行を委任せざるを得なかったのであり,弁護士費用として230万円を損害とみるのが相当である。
(エ)合計 2589万0112円
(被告の主張)
ア 原告Aに生じた損害について
(ア)補修費用について
被告がクレオソート油Rを使用したことは認めるが,その余は不知。被告がクレオソート油Rを使用したことによって,原告A宅の土壌に化学物質が混入したとか,母屋の土壌や構造駆体,家具などに化学物質が吸引されたなどという証拠はない。
(イ)仮住まい費用について
原告らが平成17年5月29日から旅館等で仮住まいを始めたこと,当初被告がその費用を負担していたことは認めるが,その余は不知。なお,被告が支払をしなくなったのは平成18年1月以降である。
(ウ)引越費用,特別対策費等諸雑費,医療費,通院交通費等について
いずれも不知。
イ 原告Bに生じた損害について
不知。
ウ 原告Cに生じた損害について
不知。
エ 原告Dに生じた損害について
不知。
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