エ 原告Dの症状について(甲9,36,81,84,乙12の1及び2,15,19,20,原告A,原告B)
(ア)原告Dは,2歳となった平成17年2月22日,松沢医院を受診し,前年に花粉症の症状があったこと,鼻水と目のかゆみがあることを訴えたところ,アレルギー性鼻炎及び結膜炎と診断された。
(イ)原告Dは,クレオソート油Rが使用された同年5月6日以降,鼻水,喉の腫れ,目のかすみ,原因不明による度々の発熱の症状を発症したほか,1日に40ないし50回の水のような下痢が1週間くらい続く状態となった。そこで,原告Dは,同月23日,松沢医院を受診したところ,K医師は,喉の腫れと下痢の症状を認め,原告Bから,防虫用のコールタール(クレオソート)を塗ってから症状が現れた旨の説明を受けた。原告Dは,その後も同医院での受診を続け,同月28日には下痢が続いていることを訴え,同月29日には原告A宅を離れ旅館に移り住んだが,同年6月6日には37.1度の微熱があること,同月13日には微熱が続き,喉に腫れがあることを訴え,同月15日には39.5度の発熱と喉の腫れのほか,発疹が認められた。そして,K医師は同月18日の再診時において,原告Dについて,37.2度の微熱と咳,喉の腫れの症状があることを認めたうえ,「アレルギー性気管支炎及び咽喉頭炎」と診断し,その原因を,原告Bの申告をもとに,「クレオソート用ガス吸入による疑い」とした。また,原告Dは,同月22日の再診時には,鼻水,咳,喉の腫れを訴え,同月29日の再診では,鼻水は止まったが,喉の腫れと微熱が続いていることを訴えた。
(ウ)その後,原告Dは,約2か月の間,医師の診察を受けていなかったが,同年8月22日,松沢医院を受診し,この2か月間,微熱が続いていたことを訴え,北里研究所病院の紹介を受けた。
(エ)そして,当時,2歳11か月であった原告Dは,同月26日に同病院臨床環境医学センターを受診した。原告Dは,同病院において,上記イ(ケ)の原告Bの場合と同様の診療を受けたが,原告Dに代わって原告A又は原告Bが回答した問診・質問票では,現在の主な症状として,発熱と風邪を挙げ,平成17年5月から始まったこと,考えられる原因としてリフォームのクレオソート油Rの使用を挙げるとともに,原告Dにアレルギー性鼻炎及びアレルギー性結膜炎があることを申告した。もっとも,原告Dが臭いについてどう感じているかは不明として,環境暴露及び過敏性の質問票にほとんど記入することができず,日常生活については,食事の摂取に問題がないことを申告した。
(オ)上記問診及び検査結果に基づき,原告Dを診察したH医師は,同日,紹介先の松沢医院のK医師に対し,原告Dの病名を「化学物質過敏症」としたうえ,「小児のために十分な神経系の機能検査ができず,問診が中心となってしまった。シックハウス症候群からの過敏反応の誘発は間違いないと思う。」と報告した。
(カ)原告Dは,同年9月2日,目の周囲に出血斑が斑点状になって出ることを訴えて松沢医院を受診し,同年11月9日には,鼻水,咳の症状を訴えて再受診し,同月16日にも,喉の腫れとたんの症状を訴え,再受診した。
(キ)その後、原告Dは,平成21年2月4日,北里研究所病院を受診したところ,H医師は,「化学物質過敏症」と診断したうえ,「神経系の機能検査でも異常が検出されており,問診と合せて上記診断をする。シックハウスからの発症と考えられ,極めて微量な化学物質に鋭敏に反応する状態」との所見を示した。
(2)上記(1)アに認定の事実によれば,化学物質過敏症という病態は,微量化学物質に反応し,非アレルギー性の過敏状態の発現により,精神・身体症状を示すとされるもの(厚生労働省),あるいは,〔1〕再現性を持って現れる症状を有する,〔2〕慢性疾患である,〔3〕微量な物質への暴露に反応を示す,〔4〕原因物質の除去で改善又は治癒する,〔5〕関連性のない多種類の化学物質に反応を示す,〔6〕症状が多くの器官・臓器にわたっている,と定義されるもの(米国のいわゆる「コンセンサス1999」)として存在することが認められるというべきところ,これを前提に,上記認定事実に基づき,原告B,原告C及び原告Dが,化学物質過敏症に罹患しているか否かについて,以下,検討する。 マンションのリフォーム工事の見積りの比較のサイトも紹介します。